第六章 続く退職者と、業者たかり

続く退職者の波

相変わらず他部署でも毎月のように長くこの会社に貢献してきた複数名の退職が続いています。そんな中、所属している部署でも長らく業務を支えてくれていたベンダーからの出向社員1名が先々月契約解除、先月末でまた1名が退職、今月は海外在住者1名が日本担当から外れます。このペースでいくと、もう自分を含め来年には知っている人は会社に残っていないのではないかとまで思うほどです。

そのうち1名の退職者については、今年に入って私用で休みがちになり、40日以上あった有休も残り2日の状態でとうとう退職勧告を受けたようで、自主退職するようです。

 

正直に言ってしまうとその退職者は、自己判断で業務を進めるあまり好きではない人でしたが、この会社の今年の人事の酷さを身をもって知っているだけに全く喜ばしい状況ではありません。口は上手くのらりくらり世渡りできるようなタイプで外資の新しい上層とは馬が合いそうでしたが、他に辞めさせようと圧力をかけ続けているメンバー達が意外にも圧力に耐え未だ辞めないために、人員補充の予算を鑑みて刃がそちらへ向かったのかもしれません。その人がどうこうと言うよりも、消えてゆく人がいると言う事実だけでやはり、周囲はなんとなくモチベーションが下がり、陰鬱な雰囲気になります。

見せかけの「自主退職」

最近、「自主退職」という言葉を耳にするたびに、嫌悪感を覚えるようになりました。その理由は、圧迫面談などでひたすら圧力をかけ、「自主退職」に追い込む行為が実際には「自主」とは程遠いものであることを知っているからです。もちろん、本当に能動的に、何の圧力も受けずに自ら退職を選んでいる人もたくさんいるでしょう。しかし、この会社におけるこの1年間の傾向は、明らかに異なっています。

「自主退職」ではなく、実際には圧力をかけて追い込み、「自主」のように見せかけた退職――それは詭弁です。時に得意げにその言葉をあえて使う場面に直面すると、嫌悪感を覚えずにはいられません。

 

買収前から在籍していた人員については、よほどのイエスマンで変わり身の早い風見鶏のような人物でない限り、全員一掃する計画でもあるのかもしれません。しかし、もしそれが意図的な方針であるならば、せめてお礼金を支払い、会社都合退職とするなど、多少なりとも誠意を示すべきではないかと感じます。

神にでもなったような振る舞い

人の人生をこうも簡単に圧力をかけて変えてしまうことに違和感を感じます。特に、今年新たに入社し品位のかけらもない圧力をかけ続けている側の人たちは、何人もの人生を変えて、恨みを糧にするような仕事をしていて、果たして楽しいのだろうか?と疑問に思うことがあります。神にでもなったような心持ちで、その重さや苦しみを実感することなく、他人を追い詰めることに快感を覚えているのかもしれません。

 

表向きは「楽しい企業」を装うかのように、エンゲージメントイベントと称した取り組みが行われるようになりました(社員との絆を深めるという偽善的なネーミングの下で)。毎月のようにお菓子配りなどのイベントが企画され、まるで子供騙しのような演出が続いています。

しかし、そうした浮かれた企画は、傍らで進行している他人の人生を大きく変えるような圧力の闇と対比され、闇を知る人間にとってはなおさら気味悪さを感じさせるものです。

 

地獄への道は善意で舗装されている

まさにこの状況を言い表しているかのようです。

 

 

バリ島でのプレゼン?

さて、突然、取引先から持ちかけられた一つの「機会」――インドネシアのバリ島でのとある1企業のイベントでプレゼンができるという話。あなたはどう感じますか?

「参加費は100万円。この『貴重な機会』を手に入れてみませんか?」

取引先企業は、おそらく弊社の社員からそんな声がけをされたことでしょう。

 

一見すると、販路を広げるかのようなお誘い。南国の楽園バリ島でのプレゼンの舞台が用意され、会社の顔として一躍注目を浴びる機会に見えるかもしれません。しかし、その裏にはビジネスの本質が隠れています。

 

会社が提示したのは、いわゆる「サプライヤー詐欺」に他なりません。利益を上げるために、サプライヤーに過大な負担を強いる「偽りのチャンス」――それが真実です。

なぜなら、契約を切る算段案が出ており、そのために色々な手段を講じている相手企業に対しても複数、誘いをかけているからです。

搾取と偽善の構図

この100万円は、会社の名誉のために払うものではありません。イベントを企画する企業(弊社)が取引先を狙い、金銭を搾取するよくある手法です。表面上は「ビジネスチャンス」、裏では利益だけを狙うさもしい計画。「たかり」そのものです。この詐欺的な戦略こそが偽善にハリボテされた利益追求の表れであり、社員を守るどころか駒として利用する体質、取引先であっても使えるものは使って搾取しようとする体制が如実に表れています。

 

ちなみに、声をかけたサプライヤーのうち、特に大手からは速攻でお断りが来たようです。

当然のように見えます。

この話を耳にした時、「恥晒し」と感じてしまいました。他の同僚たちも、私の周りは同じことを感じたようです。

 

6年ほど前までは超優良企業であったのに、目的のためには手段を選ばず、かつての品位を失ってしまったように感じます。上層人員がすべてすげかわってしまったのだから、当然かもしれません。まるで恥も外聞もない別企業のように変わり果てた姿は、残念でなりません。

 

第七章へ続く

第五章 心的後遺症 トラウマ化

メンタル休職者が約1割、離職率は0.25%から30〜40%へ

この1年で、本当にたくさんの同僚が退職したり、メンタル休職に入りました。
以前は退職者が今ほど多くなく、特に外資買収前は離職率が0.25%という、超優良企業だったそうです。しかし、現在では、メンタル休職者が全従業員の約1割、離職率は3割から4割にも上っています。

ちなみに、ここ1年で突然よく耳にするようになった言葉があります。

それが「ビヘイビア」です。
繰り返されるのは、「態度(ビヘイビア)の改善」という曖昧な要求。ターゲットとなるのは大抵が日系の頃から長く居る人や、口先のアピールや立ち回りがあまり上手くない実直なタイプ、今年新たに入社した上層部と相性が合わない人たちな印象です。その要求内容は「態度」とはあまり関係がないように見受けられます。むしろ、客観的に見れば、新たに加わった上層部の方が遥かに態度は悪いのではないかという気がします。

 

メンタル休職に追い込まれた方々や退職した方々の多くが、同じようなプロセスを辿っているように感じます。まず、その部署の新しい上司に呼び出されます。そして、入社半年ほどの総務担当が同席し、「ビヘイビアがよろしくない」と指摘されるのです。場合によっては、「今すぐ別の部署に異動して」や「休職したら」と言われたという話を複数聞きました。その数は、一人や二人ではありません。

 

PIPや横行するいじめ

さらに、職場では「PIP(Performance Improvement Plan=パフォーマンス改善計画)」と称する圧力が行われ始めました。例えば、ある同僚の場合、入社半年の上長や年下の上司、さらにこれまた入社半年の総務担当がチームを組んだかのように圧迫面談を続けました。どのような状況であれ、程度やバランスは大切です。その同僚がそこまでされる理由があるのでしょうか。外部から見ると、必要以上の不当な追い込みにしか見えません。

 

また、対象者になりそうだった別の方は、自ら降格を申し出たことで圧迫面談を免れたようです。しかし、役職は解かれたものの、業務やメンバーの取りまとめは依然として担当しており、実質的には役職手当が剥奪されたに過ぎない状況です。ご家族へは降格についてなんと説明したんだろう、パートナーや伴侶には、給与明細を見られれば降格の事実が伝わってしまうでしょう。その現実をどう受け止め、どのように伝えたのかを想像すると、なんとも言えない苦しさが胸を締めつけます。

 

また、圧力をかける手段として、在宅勤務の禁止も行われています。「表向き」はビヘイビアやコミュニケーション改善のためとされていますが、そのコミュニケーションをとる相手である上司自身がほぼ毎日リモートワークをしているという矛盾。したがって、この対応が心理的な抑圧やいじめの一環であることは明白です。

さらに、熱が出ている体調不良の同僚に対し、「風邪で3日休むのは避けるべき」などと出社を促す発言がありました。これは明らかなパワハラではないでしょうか。

PIPには、直接の接点がほとんどない2段階上の海外にいる上長と「もっとコミュニケーションを取って、ビヘイビアを改善するように」というような項目があったそうです。まだ接点がある業務を担当しているならわかります。しかし、そもそもその人物と話す機会も内容もない状況で、そのような要求をするのは不合理です。これも労働基準法が規定する「過大な要求」に該当するのではないかと感じました。

 

圧力をかける側の人たちは、どれだけの心理的負担を相手に強いているのか気付いていないのでしょう。「絶対に許せない」という感情がどれほど強く心に積もっていくか。それは簡単に消えるものではありません。不当な圧力を受けた側は、たとえ転職しても、その体験や感情、記憶が鮮明に残り続けるのです。

 

 

トラウマ

タダ働きをしたことに対して圧迫面談と始末書を毎週のように繰り返され始めて、数ヶ月が経ちます。

 

実は、未だに圧力は存在します。

 

そんな日が近づくたび、決まって普段はならない便秘になったり、胃が痛くなったり、細切れの睡眠になり目が覚めるたびその瞬間から会社のことを考えていたり、感情と共に体調も素直に共鳴しているようです。

 

言論弾圧

始末書についてを他言したら、圧力をかけている側から猛烈になじる文面が夜遅くに届いていました。事実を話して何が悪いのでしょうか?何かやましいことでもあるのでしょうか?
不当に追い込んでいる自覚でも?体裁が悪いことからの行動なのが丸わかりで、あさましささえ感じました。こちらは正直、起きた事実をありのまま口にすることに対して何一つやましいことはありません。不当な圧力に、さらに不当な言論弾圧の上塗りでしょうか?

消えない心の傷

たとえ圧力が消えていたとしても、頭からは離れない過去の出来事。始末書、PCのガサ入れ、そして繰り返される圧迫面談――これらの経験は、心に消えないトラウマを残し、後遺症のように付きまといます。

仕事が終わり、夜眠りにつこうとしても、負の感情が頭を占領して離れない日がある。気を紛らわせようと他のことをしても、どこかにその思いはこびりついていて、なかなか気分が晴れることはありません。週末も朝からそのことばかり考えてしまう。どんなに前向きに仕事をしようとしても、あの時の体験がことあるごとに再び深い闇に引き戻してしまうのです。

ある日、怒りで眠れず、断続的に目が覚め、朝方の3時頃には居ても立っても居られない気持ちになりました。仕方なく起き上がり、まだ暗く人の寝静まった近所を徘徊し、スマホのメモ帳を開いて悔しい思いを文章に綴っていると、いつも見る夕焼けとちょうど正反対の位置から朝陽が昇るのが見えました。

その後そのまま、眠る気になれず、始業時間まで実に6時間ほどかけて書いては校正を重ね、届くことのない抗議の文章を作成していました。

怒りへの変化と向き合い方

最初はとにかく恐怖でした。そして数ヶ月間は辛く哀しい、とにかく苦しい思いでした。大抵の人はここで鬱になったり、自分の心身を守るために離脱します。無理に続けることで心を壊してしまう方が何倍もリスクが大きく、自身の心を守れるのは自分だけだからです。

事実、何をやっても楽しくない、そんな日が増えました。時間が経つにつれ少し俯瞰し冷静になると、今度はどんどんと消化できない怒りの感情に変わってゆきます。関係者と仕事で関わるたび、許せない気持ちが心の奥底から湧き上がります。

もはやこの会社で長く働く自分は一切想像できなくなりました。今の私にとってこの気持ちとどう向き合っていくか、この会社を辞めたとして許せない気持ちをいつか手放すことができるのか、それが課題となっています。少しでも状況を乗り越えられる道を見つけたいです。



さて、次は業者たかり、サプライヤー詐欺などについて、書きたいと思います。

次から次へと信じられないような酷いことが起こっているので、なかなかこのブログも終われそうにありません。

まだまだ続く…

第四章 圧迫面談とガサ入れ

PCガサ入れの開始

そして、毎週のように設定される圧迫面談が1か月半くらい続いたころ、PCのガサ入れをされるという事態が発生します。


ガサ入れの理由は、タダ働きをした実態についてを調べるため、だそう。さらには、周りの人たちにも事情聴取のようなことをして、実態がどうだったのか尋ねる、と。

ここで改めてはっきり言及しておきたいのは、こちらからは無償労働した分の賃金を支払えなどということは一切言っていないにもかかわらず、ということです。

普通はこうなったら「では、何のため?」となると思います。

本人の同意なき調査

フォレンジック調査というのは、横領など犯罪のようなことをした人に対しては本人の同意無しでやることは世間的にもよくあることです。しかし、まさかタダで働いてご奉仕したとして、その犯人捜しのようなことや、まるで犯罪者のガサ入れみたいなことをするとは。


労働局も「無償労働はあくまで労働者が犠牲者側であり、犯罪ではないのだから」と言っていました。


あげくに皆それぞれ各自の業務で忙しいのに、そんな周囲の他の従業員にまで事情聴取で迷惑をかけることになるかもしれない…。


「こちらの勝手な判断ということで構いませんので周りに迷惑はかけないでください。時間外労働の賃金を支払えとはこちらから一言も言ってないのですし、本来の業務に集中させてください。」と言い、面談の場ではとりあえず収まったように思えました。

しかし、こういったことは何度かあったのですが、まったくこちらの言うことなど意に介さずにオウムのように面談で要求された内容と同じ文章のメールがそのあと届きます。あなたは先ほどのこちらの言ったことを聞いていたのですか?それとも聞かなかったことにして無視して進めたいのですか?と問いたくなる状況です。


そして、メール文の一番最後の最後に、申し訳程度に「別途ログ等確認させていただきます」というような文言が短く一言付け加えられていました。まず、その書き方に、会社側の誠意の無さを感じました。一応本人の確認を取っただろ?と言い訳ができるような状態のために付け加えたような、どさくさ感…。
これは一方的な通知(しかも騒がれたり拒む返事を明言されたり突っ込まれるのを避けたいのか、最後にちょろっと付け加えられたおまけのPSのような一言)であり、本人の同意をしっかり取ったとはとても言えません。

 

会社の資産だからといって犯罪を犯したわけでもない従業員のPCを会社側が好きにしていいのかどうかは、グレーゾーンです。しかし物理的強制的にガサ入れ自体やれてしまうので、プライバシー、コンプライアンス、モラル、いろいろ思うところはあれど雇われ側は無力です。

会社の誠意の欠如
それからというもの度々ログがダウンロードされている形跡がわかりました。


なぜわかったかというと、職種がこれを読んでいるみなさまにバレてしまうかもしれませんが、それが分かる業務を担当しているからです。

ダウンロードされたログ自体は確認が出来ませんが、タイトルにはいちいち「総務からの依頼」のような英語のファイル名がついていました。そのファイル名からは“俺は頼まれたからガサ入れをしているだけ”という部門長のスタンス=言い訳が見て取れました。

 

一番最初にこのアラートが飛んだ時の私の気持ち、分かるでしょうか。うまく言葉にできませんが、「ぅわ……」という感じです。押し寄せる気持ちの悪さ。

 

他にも圧迫面談を受けているメンバーは複数おり、ガサ入れされている対象が自分とは限りませんが、誰のログなのかなどは最早どうでもよく、誰かのPCをガサ入れをしているという事実が目の前にある。


その日は夜中に何度も起き、目が覚めたその瞬間さえ、気持ち悪さが押し寄せて来てたまらなかったです。

信頼関係の崩壊の前に、とにかく気持ちが悪い。それからというもの、面談に関わった人たちのすべてが気持ちが悪く感じてしまいました。もっと言えば、この会社がとにかく気持ちが悪い。

会社の監視体制と従業員の不安
少し前に、別の部署のパワハラ上司が「あなた達のチャットは自分が該当部門へ依頼をすればすぐに見ることができる」と脅しのようなことを言ったそうです。“だから俺の悪口などは書くなよ”、と言いたかったのではないかと、これを聞いた従業員達はみな一様に推測していました。その後、その部署を含む、実に5名以上の従業員が「本当に見られるんですか…!?」と、かなり心配していたことを思い出します。


そこで会社の組合へ、誰かが相談をしたようで(私ではありません)、どのような方法や経緯で誰がガサ入れなどをするのか、というような問い合わせと会社からの回答が、組合会議の議事録に書かれていました。会社の上層からは「会社の備品だから何かあったら見るのは当然である」ということと、「厳格な守秘体制のもとやります」と、各PCの中身が見られるツールのインストールを会社として検討をし、実用段階直前のとあるツールの件にすり替えて回答をしている内容を確認できました。


実際は既に、とっくにクラウド経由でガサ入れは行われており、その今度導入予定のツールとはまったく関係ありません。


こうして何も知らない方々はごまかされていくのだなと、失笑しながら冷ややかに眺めていました。もちろん、気持ち悪さも一入であったことは言うまでもありません。

信頼崩壊
実際の事実と、表向きのやりとり、いずれも見てしまった自分は、会社への信頼が完全に失われました。


正確には、”今年になり役職付きで突然入ってきた買収元の外資が雇った方々”への見る目が完全に変わりました。何の良心も痛まないとしたら、企業人としてというより人として最低だなと思うに至りました。

業務へのモチベーション低下
もう完全に能動的に業務をやる気が失せました。


これまではやることがなければ、なにかないかと探してやる気概はあったかもしれませんが、もう命じられたことをやるだけのロボットのような心持ちになりました。

 

この頃から私の胸に幾度となく去来するフレーズがあります。

恩を仇で返す会社に、果たす義務などありません

周囲の他の方々にもパワハラや圧迫面談があって、そういった話を聞くたびに、口癖のようにこの言葉を繰り返すようになりました。

 

第四章の終わり、そして次へ

外資買収から始まりパワハラ、圧迫面談、ガサ入れと来て、第四章はこれで幕を閉じますが、まだまだ話題に尽きなそうです。なぜなら…

例えば、些細な話題としては、社名変更に関わる諸々の件、メールでのCCに入れるアドレスの件。もう少し大きな話題としては、PIPや横行する降格人事サプライヤー詐欺(業者たかり)メンタル休職率2桁うなぎのぼりの離職率

現在進行形で様々なびっくり事件は起こり続けているからです。

そのため、幸か不幸か、まだまだこのブログは続きそうです。


次なる話題へ続く

 

 

第三章 始末書(労働局へ3回電話相談)

暗雲立ち込める職場と未来への不安
パワハラの影響を強く感じながらも、私は自分の業務に集中しようと努めていましたが、昨年末に信頼していた上司が退職に追い込まれたことがどうしても常に心に引っかかり、不安から夜は毎日求人サイトを見ては応募できそうな案件をピックアップして保存しないと落ち着かない状態でした。

広がる職場のいじめと圧迫面談
自分の部署だけでなく、他の部署でも残業申請が拒否された挙句、いじめのような出来事が起こるという話を複数耳にしました。そういった被害を受けた人たちは、人事案件と称してパワハラ上司に加え、総務の新しい担当者との1対複数者による圧迫面談に臨むことになり、ほとんどの場合、同じパターンが繰り返されているようでした。

 

他部署での残業締め付けの噂
この会社では、退職者が最終日に定時近くで挨拶をするのが慣習でした。

ある退職者の挨拶に同席した従業員達が自席に戻った際、他部署の新しいパワハラ上司は「この時間は残業時間につけないで」と言い放ったそうです。自分は何度もタバコ休憩をとるにも関わらず…です。新参者からしたら、長く慕われてきた古参の去るのを惜しむ、皆からの送迎の雰囲気が面白くないのもあったのでしょうか。

無償労働パワハラ上司との葛藤
そんな中、私も時折残業をしてでも片付けなければ、翌日に多くの社員達が困るような事態が発生しました。しかし、上司からは「死ぬほど急ぎでも死ぬことはないから残業するな」「この業務で残業をすることは許されない」などと強い口調で言われていました。一方でその業務を時間外を使ってでも対応しなければ、クライアントや同僚にも迷惑がかかる。そのため、残業申請はせず、土日や夜中までかかって対応しました。パワハラ上司に逐一相談するよりも、自分の時間を犠牲にして無償ででも仕事を片付けた方が、精神的には随分とマシだったのです。

やれるのだからやってあげたいという善意もありましたが、心のどこかで納得できない気持ちを抱えながらではあったため、周囲へ愚痴をこぼしたりして気を紛らわせていました。

新たな上司の到来、しかし
3か月が経ち、チーム編成が変わり、新たな上司が配属されました。しかし、その新上司もまた、パワハラ上司やその上にいる外資の買収元の長によって雇われた人物であったため、いわゆる彼らの意向に沿った『イエスマン』でした。そのため、実質的には状況が変わることはありませんでした。パワハラの内容が表面的にマイルドになり、ワンクッションあるというだけで、根本的な問題は解決されません。


他部署の退職者の決断

別の部署で、またもや、その部署の新しいパワハラ上司に残業申請が却下されたあげくいじめが発生したという話が耳に入ってきました。その方は、組合や上層部に相談しましたが、ろくに味方になってもらえず、最終的には圧迫面談が設置されました。しかし、面談の前日に、上層全員へ「この仕打ちは一生忘れません」とメールを送り、退職して行ったそうです。普段はそんなことをしないような慎重な方に思えたので、想像するに相当許せない気持ちになっていたのだと思います。

今思えば、自分の心にダメージを負うような圧迫面談を受ける前に、きっぱり見限って去っていったその人は、決断力があって賢かったんだなぁ、とも感じます。

 

突然の連絡と始末書の要求


さらに3か月が経過した頃、私にも突然総務から連絡が入りました。

半年近く前に繰り返していた無償労働が問題にされ、事情聴取のようなことを受けた後、始末書を書くように求められました。もう半年近くも経って忘れかけていた頃にです。新しい上司と人事担当者による強制的な形式で面談が繰り返され、心理的な負担が大きくのしかかりました。これは、おそらくもしも労基法違反で告発された際に、「問題のある社員だった」という口実を作るためではないかと思われます。もしくは、買収前の旧体制からいるメンバーを自主退職に追い込みたい意図があるかもしれません。いや、恐らく両方の理由があったのだろうと推測しています。

 

 

繰り返される圧迫面談

始末書に関する圧迫面談は毎週、2か月弱にわたってひたすら続きました。毎回、「今週は何曜日にあるのだろう」と怯えていました。月曜に面談があると、その週ずっと辛くなり、週半ばにあると前半も後半もそれぞれ別の苦しさがあります。金曜に面談があると、面談後の重い気分を引きずって週末が台無しになるのです。

結局、どの日に行われてもつらいのですが、面談のスケジュールが決まるたびに怯えていました。

 

労働局への相談


この状況に対して、私は労働局に3回ほど電話相談をしました。自分が在住の地域の労働局、会社のある地域の労働局、会社のある地域を取りまとめている労働局、の3カ所それぞれに電話をかけました。


『この案件で始末書を書くのはおかしい。自由意思が尊重されるべきで、少なくとも顛末書であるべきです』
『この会社はろくな場所じゃないから、早く辞めた方が良いですよ!』
『あなたはなめられています。もう少し強気に出るべきです。自主退職に追い込まれた人たちは、皆ひよってしまったんです』

 

労働局からいただいたこれらの助言は、私が自分の立場を守る上で多少の助けにはなりましたが、すぐに状況が改善する見込みがないことも理解しました。恐怖に駆られて法律の知識や手続きについてネットで毎日検索をしたりし学ぶ一方で、現場でのストレスは日に日に増していき、夜は恐怖で安眠できなくなりました。しょっちゅう夜中に目が覚めてしまうのです。

また、後になって知ったことですが、労働局や労基署は、実際に複数人で足を運んで初めて本格的に動き出すことが多いようです。社労士などと一緒に出向いて相談出来たら、より効果的だったのかもしれません。

有名な弁護士事務所にも1カ所、ホームページから問い合わせをしてみましたが、「労働問題についてのお問い合わせが最近増えていますが、現在は残念ながら労災に関する相談しか受けておりません」という回答でした。

お金もかかるんだろうな…一生今の会社に居ることはもう想像もできないんだし、無駄なお金はかけまい…という思いから、それ以降、弁護士事務所へは問い合わせませんでした。

 

逃げたいが動けない現実

おそらく、世の中の多くの人々は、パワハラや圧迫面談、退職勧奨などを受けても、泣き寝入りしているのではないでしょうか。戦うためにはお金もかかるし、何より戦うための精神力が残っていないと、とてもそんなことはできません。ただでさえパワハラで心はボロボロなのに、さらに圧迫面談があったら、もう再起不能になるのは目に見えています。

逃げればいい。会社なんていくらでもあるから』 

頭ではそう理解しています。でも、いざ自分の身となると、なかなか動けないのです。年齢や健康状態、先行きへの不安、家族への説明、過去の会社選びの失敗などが積み重なり、自己肯定感が低下している今、簡単に「次を探そう」とはなかなか思えません。特にあてがなければ、逃げること自体もまた、怖いですよね。

この時点で、不眠が続き、夜中に何度も起き、毎回目が覚めるその瞬間から職場での重圧が再び心に押し寄せるようでした。面談のたびに「もう限界だ」と思い、限界のゴムがのびて、のびて、そのうち破裂しそうな状態です。正直なところ、面談の直前には業務上のミスもちらほら出始め、仕事を続けること自体が難しくなってきているのではと思えてきました。おそらく向き合うべきことが面談や始末書になってしまい、頭の中はそのことでいっぱい…本来の業務は二の次になってしまったからです。

 

また、無償で貢献したことに対してこの仕打ちか…と思った瞬間、それまで業務に対して能動的に動いていた自分の姿勢も一変し、もうこれ以上自発的に尽くす気は湧いてこなくなりました。それは、人間としてごく自然な心理かなとも思います。

第四章へ続く…

 

 

第二章 パワハラに遭う

新しい上司のパワハラ


第一章で起きた、昨年末に信頼していた上司が去ることになった出来事の後、残ったメンバーは買収元外資の新たな外国人上司に従わざるを得ない状況が続きました。

最初のうちは、カジュアルな服装のよくしゃべる若い上司だな、黒髪を脱色した金髪が奇抜に見えたのと、未熟さと行動力と自信があるタイプかな、という印象のみでした。

徐々に表に出てきた圧力

ところが、数か月ほど経った頃、その新しい上司はこれまでの風通しの良いコミュニケーションとは異なり、徐々に強圧的な主張と押し付けるスタイルを見せてきました。時折、反論の余地を与えないような態度が目立つようになりました。

 

過大な要求と無理難題

その人にとっても成果を出さないといけない状況(さらなる上層からの圧力があった等)に陥っていたのかもしれないし、はたまた、あらゆる環境を彼らと同じように変革するためにはプロセスや実際の状況を顧みず、無理やり進める以外の選択肢がなかったのかもしれませんが、私たち部下にとっては圧力にしか感じられませんでした。

 

例えば、何か月もかかるような比較的大きなプロジェクトのスケジュールを、チームで話し合って決め提出をしても、

「なんでそんなに時間がかかるんだ、今月中にやれ」

「ベンダーを使うな、自力で全部やれ」

「死ぬほど急ぎじゃない場合は残業するな。死ぬほど急ぎでも死ぬことはない、だから残業するな」

などと言われました。


これらの内容は、労基法で定義される「過大な要求」に当たると感じました。

 

ストレスと健康への影響

次第に、私はストレスが増し、特に上司からの強い口調による指示や無理難題が心の負担になっていきました。この頃から、時々睡眠障害が出始めました。

同じチームの先輩も、すっかり休みがちになりました。

 

相談と、組織全体の実態

この状況に耐えかねて、私は部署内だけでなく、他の部署の同僚(特にハラスメントを扱う総務系の部署の同僚など)に相談を始めました。しかし、驚いたことに、多くの他部署の同僚も同様に、各部署の新たなメンバーや上層から似たような圧力が存在し、誰も積極的に行動を起こすことができない状態でした。

 

何度か信頼できる人に打ち明けましたが、問題を公にする勇気は持てず、皆少しずつ精神的に追い詰められていきました。自分自身もそう思っていましたが「体制に逆らうのは無駄だ」という空気も蔓延しています。

 

これらのことが、後にパワハラを受けた際の不自然な歪みとして、実務における対応にも響いてくることになります。

 

第三章へ続く…

第一章 外資買収(そして、上司が退職に追い込まれる)

買収の衝撃

約6年前のことになりますが、私が勤めている会社が外資に買収されました。

買収前の会社は、日本の伝統的な企業文化を持っており、尊敬していた日本人上司のもとで働いていました。彼は、部下の意見を尊重しつつ、リーダーとしての役割を果たす人物でした。誰よりも業務に取り組む現役プレイヤーで、その背中を見て私たちは学び、信頼を寄せていました。

当初、買収されたことには少なからずショックを受けましたが、まだ経営陣や上層部の変更がなく、職場環境は穏やかでした。そのため、将来的に急激な変化が訪れるとは想像もしていませんでした。ただ、漠然とした不安は抱いていたのも事実です。


スタンスの違いが浮き彫りに

買収後、買収元の外資系チームとの会議が頻繁に行われるようになり、次第にスタンスや考え方の違いが浮き彫りになっていきました。特に彼らから感じたのは、上下関係の明確さで、買収元が上で買収された側が下という意識が顕著でした。そのため、しばしば馬鹿にされたような態度や言動があり、溝が深まっていくのを感じました。


プロジェクト進行の違い

具体的には、プロジェクト進行の際、日本側はWBSで計画を立て、タイムラインを設定、マイルストーンを明確にして事前準備を行います。これに対して、買収元は計画そのものを軽視し、「すでにゴールは決まっているから早く進めろ」というようなスタンスで、具体的な説明はほとんどありませんでした。


コミュニケーションの違い

また、日本側は相手の都合を考慮し、「今よろしいですか?」や「後ほど少しお時間をいただけますか?」といった事前の打診を行うのが一般的ですが、買収元は突然の電話や連絡が多く、こちらの状況を考慮しているようには感じられませんでした。


 

コロナ禍

その後、コロナ禍が訪れ、業界は大打撃を受け、我々は輪番制で休業体制に入りました。この影響で買収に伴う変革も進まず、スタンスの違いや意見の食い違い、相互理解の不足が、プロジェクトの停滞をさらに深めたように感じます。


強制的な変革と物理的な変化

昨年春、ようやくコロナも五類になり、買収元が企業方針を強制的に押し通す姿勢が目立つようになりました。社内の物理的環境も変わり、壁には何も貼ってはいけないという方針で全てのポスターや掛け時計、張り紙などが撤去されました。壁紙の色も白から鼠色に変更され、少しずつ物理的にも変化を感じるようになりました。


 

上司の退職

昨年の年末、私たちにとって最も信頼していた上司が「退職勧奨」を受けました。表向きは「自主退職」とされましたが、実際には会社からの強い圧力によるものでした。

私たち部下にとって、この出来事は非常にショックでした。最終日の挨拶の際、私は涙を抑えることができませんでした。それまでの安心感が一気に崩れ去り、会社の根幹が壊れたような感覚に陥りました。この出来事が大きな転機となり、その後の出来事に深く影響を与えました。


上層部の退職の連鎖

この日を境に、ごく一部の取り入るのが上手な日本人を除き、次々と日本人の上層部が退職へと追いやられ、会社を去ることを余儀なくされました。

 

 

第二章へ続く…

外資買収、パワハラ、始末書、圧迫面談、がさ入れ(イマココ)

みなさん、はじめまして。

こんにちは。

 

これまでの出来事をここに少しずつ記載していこうと思います。

時系列が現在に追いついたら、その後は日記として続けていきます。

 

 

いままでの流れ…

 

外資買収(信頼していた日本人の上司が退職勧奨で自主退職に追い込まれる)

 ↓↓↓ ↓↓↓ ↓↓↓

パワハラ(周囲に少し相談)

 ↓↓↓ ↓↓↓ ↓↓↓

◆始末書と圧迫面談(労働局には3回電話相談)

 ↓↓↓ ↓↓↓ ↓↓↓

◆PCの365ログ、本人の同意なくがさ入れ(現在の状況)

 

これまで、このような感じで進んできました。

今後、この出来事を「第一章、第二章」といった形で順を追ってお話ししていきたいと思っていますので、合計で少なくとも第四章までは確実に続ける予定です。

第四章が終わったら、この先どのように展開していくかも含めて、ぜひ見守っていただけると嬉しいです。

同じような境遇にいる方に共感していただけたり、少しでも心に寄り添える内容になればと思っています。